COLUMN

どうやって精液をキレイにしているの??〜密度勾配遠心法と活性酸素〜

こんにちは。培養室です。

 

今回は精子精製の方法と活性酸素の影響についてお話ししたいと思います。

 

密度勾配遠心法??

人工授精や体外受精で用いている精子は精液をそのまま使用しているのではなく、精製という作業を行っています。

施設により精製方法は様々ですが、当院では密度勾配遠心法を採用しています。

濃度の違う分離液を図のように重層し、遠心分離機にかけて良好精子を回収します。

 

 

この密度勾配遠心法は不動精子と良好精子を分離するだけでなく、精液中に存在する細菌や他の細胞などをある程度取り除くことができます。

 

 

活性酸素(ROS: Reactive Oxygen Species)??

『活性酸素』は「卵子の老化」でよく耳にする単語だと思います。

必要量の活性酸素は受精の過程で重要なセカンドメッセンジャーとして働きます。しかし、過度の活性酸素は細胞損傷を引き起こし、DNAにダメージを与えます。

精液中には抗酸化物質(SOD、カタラーゼ、ビタミンC、コエンザイムQ10など)が存在しており、活性酸素を除去できる機能があります。酸化ストレスはこの除去機能のバランスが崩れることにより生じます。

 

興味深い内容の論文があったので、少しご紹介します。

『ヒト精液中の活性酸素分子種に対する密度勾配遠心法の影響』

Effect of density gradient centrifugation on reactive oxygen species in human semen.

内容

男性不妊患者の精液を調べると30〜40%の割合で活性酸素の発生が見られました。活性酸素の発生が見られなかった精液と比較すると運動率が低いという結果となり、活性酸素の発生は精液に何らかの影響を与えていると考えられます。

密度勾配遠心法は精液中の抗酸化物質も取り除いてしまう為、酸化ストレスが生じてしまう可能性があります。

そこで、密度勾配遠心法を行う前と行った後の活性酸素量を測定し、どのような変化があるのか検討しました。精製後の活性酸素濃度は精製前と比べ、有意に低い結果となりました。このことにより、密度勾配遠心法で酸化ストレスを増強すること無く良好精子を分離できることを示唆しています。

 

この論文により、密度勾配遠心法がより精子精製に優れていることがわかりました。

また面白い内容の論文があればご紹介したいと思います。

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