COLUMN

続:卵巣を凍結、融解し卵巣内の未熟卵子を体外で成熟卵子に培養できるのか?

こんにちは、院長の中村嘉宏です。
桜の開花も進み、いよいよ春が……、と書き始めた頃にまた気温が下がってしまいました。それでも花粉は順調に(!)飛び交っているようで、全く困ったものですね。

以前のコラムになりますが、花粉症のお薬についてまとめた記事がありますので、妊活中で花粉症の方の一助になれば幸いです。

続:「超」未熟卵子と体外培養

さて、今回は前回に引き続いて「超」未熟卵子の体外培養についてのお話です。

「Metaphase II oocytes from human unilaminar follicles grown in a multistep culture system.」という論文をご紹介します。英国からの報告で、Molecular Human Reproductionの2018年1月号に掲載されています。
患者さんの同意を得て帝王切開時に採取した5×4mm程度の卵巣切片を用いて行われた研究です。
※この程度であれば、採取しても卵巣機能に影響を与えません。

Step1
採取した卵巣切片を更に小さくカットします(1mm×1mm×0.5mm)。
顕微鏡下に「超」未熟卵子の段階にある原始卵胞、一次卵胞(直径40μm以下)のみが含まれる検体を小さいくぼみのある培養皿で8日間培養します。

Step2
その後、100−150μmに育った卵胞(二次卵胞)を細い針で切り出して、さらに8日間培養します。このとき培養液にアクチビンAというホルモンとFSH(排卵誘発の注射の成分です)を加えます。

Step3
そして卵胞内に空間のできる胞状卵胞の状態になった卵胞から卵子と顆粒膜を一塊にして取り出します。そしてふたたび、アクチビンAというホルモンとFSHを加えた培養液で4〜6日間培養します。

STEP4
3で育った卵子を、通常の体外受精の時に採取される未熟卵にも用いるIVM培養液で培養します。

 

「超」未熟卵子の課題

この方法で、87個の「超」未熟卵子(卵胞)から9個が成熟卵であるmetaphase IIの卵子に育っています。成熟卵まで至る率は10.3%です。若年のがん患者さんの卵巣であれば、卵子も十分存在するので問題ないかもしれませんが、閉経近い状態でこの方法を試すにはまだ少し低い割合かもしれません。

しかし、従来の研究と違い成熟卵を得たことは大きな成果です。
今回の成功のコツは培養をIVMに至るまでの過程を3段階に分けたこと、アクチビンAを添加したところではないかと考えています。一方で、この研究で見られた成熟卵は一次極体が通常より極端に大きいという特徴があり、染色体などに異常のある可能性も否定できません。また、倫理上の問題から受精させることもできません。

成熟卵になる割合や、卵子の形態の異常など克服点や検討課題はありますが、卵巣内の超未熟卵胞から初めて成熟卵子を得た点については大きな前進だといえます。

今後の研究成果に期待しましょう。

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