胚培養士の仕事

胚培養士とは、高度生殖補助医療において、卵子・精子・胚(受精卵)を扱う専門家(技術者)です。

認定制度

日本哺乳動物卵子学会により認定される『生殖補助医療胚培養士』などの資格があります。
当クリニックでは現在7名が資格を有しており、今後も順次取得予定です。

胚培養士の教育

主に臨床検査技師や農学・畜産系の大学を卒業した者が各施設に就職し、トレーニングを積んだ上で培養士として仕事を行ないます。 当クリニックでは胚培養士の教育に関して、当院独自の非常に厳しい基準の業務習得カリキュラムを設けており、各項目の技術基準に合格した者でなければ治療に携わる事はできません。全ての技術を習得するまでに概ね3〜5年を要します。

主な仕事

体外受精の流れ

体外受精の流れは以下のような手順になります。この流れに沿って、培養士の仕事をご説明いたします。

体外受精の流れ

採卵時の卵子回収

オペ室にて医師が超音波エコーで確認しながら卵胞に針を穿刺し、卵胞液を吸引します。
細い針を使用するため、基本的に無麻酔で行います。 所要時間は約5〜10分です。

卵胞液はすぐさま培養室に運ばれ、培養士が卵胞液中から卵子を回収します。
回収した卵子は、洗浄してから培養液に移します。

精子精製(密度勾配遠心法)

希釈した精液を密度の違う分離液を3層積んだ上にのせて遠心分離すると、比重の軽い精子や細胞片などは分離液に引っかかります。それらを除去して下に集まった良好精子を回収し、体外受精に用います。

一般体外受精・顕微授精

1.一般体外受精

卵子の入った培養液に精子を入れ、受精させます。

※精子は自力で卵子内に侵入します。
※形が良く、動きの良い精子が多数必要です。(卵子1個につき精子10万個)

①卵丘細胞の切除

精子を振りかける前に卵丘細胞を切除してごみや血液などの付着物を取り除きます。

②媒精

卵子から遠い場所に精製した良好精子を入れ、受精させます。

精子の頭部には細胞の結合を溶かす酵素があります。
元気な精子は卵丘細胞にアタックして細胞の結合を剥がしていきます。

2.顕微授精

卵子内に針で精子を注入します。

※確実に卵子内に精子を入れることができます。
※卵子1個に対し形が良く、動きの良い精子が1個いれば施行可能です。
※精子の数が少ない場合や受精障害がある場合に有効です。

①卵子の裸化

未熟な卵子は精子と一緒にしても受精しません。
そのため、まずは卵丘細胞と放射冠細胞を除去して成熟確認を行います。

②顕微授精

精子の不動化
(針で精子を押さえて動きを止めます。)

精子を針先に保持します。

卵子に穿刺します。

卵子の細胞質と絡めながら精子を注入します。

胚移植

こちらでは移植当日の流れを説明する中で培養士の仕事をご紹介します。

卵子・精子・胚の培養

卵子・精子・胚の凍結・融解

1.凍結

卵子・胚をそのまま凍結すると、細胞内の水分が凍って氷晶が形成され細胞が物理的に ダメージを受けてしまいます。そこで、卵子・胚を凍結する際は水分を耐凍剤に置換してから 液体窒素(−196℃)で瞬間的に凍結することで氷晶の形成を抑制しています。

2.融解

液体窒素中で保存していたcryotopを37℃に加温した融解液に浸けて卵子・胚を瞬間的に 融解します。
瞬間的に融解することによって、氷晶形成を防ぎ細胞を物理的なダメージから 守ることができます。
融解後、細胞内に残っている凍結液を水分に置換します。

孵化補助処理 (Assisted hatching:AHA)

透明帯に切れ込みを入れ、孵化を補助する方法です。
当院ではレーザー光照射により孵化補助処理を行なっています(Laser assisted hatching:LAH )。

以下のような場合に適応されます。

 

①fragmentationが多い

②透明帯が分厚い

③加齢や凍結による透明帯の硬化

培養環境の管理

1.施設紹介

2.非常時の備え

3.培養室の様々な器具・器械

4.清潔な状態を保つために

培養室では必ずマスク・帽子を着用します。入室時は洗剤で手・腕をきれいに洗い、手はさらにエタノールで消毒してから作業します。 使用する器具類は滅菌処理をしています。


培養室の外では白衣を着用しています。
患者様に移植の説明をする時は白衣姿です。

卵子・精子・胚の記録・管理

1.分割胚の評価

当院では、以下の点を総合的に判断して5段階でグレードをつけています。

  • ・発育の速度 → 3日目で8細胞前後が良好
  • ・割球の大きさの均等性 → 均一なほど良好
  • ・fragmentationの有無及び量的程度 → 少ないほど良好

2.胚盤胞の評価

当院では、Gardner分類に培養日数を加えた4つの数字でグレードをつけています。
Gardner分類とは、胚盤胞腔の広がりと孵化の程度によって1〜6の6段階のスコアをつけ、
さらにスコア3以上の胚盤胞については、内細胞塊と栄養外胚葉の状態からそれぞれ
A〜Cの3段階のスコアをつける方法です。

①受精後、胚盤胞に達するまでの日数 → 通常5日目前後
②胚盤胞の発達段階

③内細胞塊(将来赤ちゃんになる細胞)が胚盤胞腔内に占める割合で多いものほど良い。

④栄養外胚葉

基準に沿って見た目(形態)を評価します。しかし、見た目だけの評価は確実ではありません。
評価にかかわらず全ての胚は妊娠する可能性を持っています。

3.取り違えの防止

培養士が卵子・精子・胚を扱う際に最も注意していることは取り違えを防ぐことです。
私たちは以下の様な取り組みを行なっています。

①培養容器と培養記録は5色に色分けして識別しやすくしています。

 

②卵子・精子・胚を違う容器に移す際は必ず2人体制で指差し及び復唱を行ない氏名を確認しています。

 

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