タイムラプスインキュベータで胚盤胞へ到達したPGT-A胚の発育過程を見てみると…②
こんにちは、培養室です。
早速、前回の続きから始めていきます。今回のグラフも縦軸の単位は全て(%)です。
次のグラフは、胚盤胞の大きさによって正常率に違いがあるか見ています。PGT-Aを実施する前の胚盤胞の直径を測定し、180μmを基準として比較しています。この場合も、誤差の範囲内での違いしかなくガードナー分類と同様に胚盤胞の直径で胚の良しあしを決定することは難しいことが分かります。
次のグラフは、PGT-Aを実施した胚盤胞は何歳の患者さんの胚であるか比較しています。40歳未満の患者さんの胚盤胞が正常である確率は、40歳以上の患者さんの胚盤胞より約2倍の確率になります。これは、有意な差でやはり年齢が若いと胚盤胞が正常である可能性が高いことになります。卵子の老化がこのような結果として表れていると考えられます。
次のグラフは、PGT-Aを実施した胚盤胞は夫の年齢が何歳であったかを比較しています。夫の年齢を先程のように40歳未満と40歳以上に分けてみても正常率に大きな差は見られず、誤差の範囲内でした。男性の年齢が高くなると精子のDNAが損傷している割合が増えると言われていますが、PGT-A胚に関しては直接の相関はないかもしれません。
今回はこの3つのグラフを紹介して終わりにします。
あともう1回だけ続きます。