精子は回転しながら前進している
こんにちは、培養室です。
三連休やお盆は暑くなりそうですね。今年はおちおち帰省もできませんので、どうせなら部屋の模様替えでもしてみようかと思っています。
※※※おしらせ※※※
本日予定されていた体外受精セミナーは中止となりました。
youtube上にセミナーの動画をアップロードしておりますので、視聴を希望される方はご来院の際に受付にお申し付けください。
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さて、人工授精(AIH)や体外受精に用いる精子は、使用する前に精製という作業を行います。
形態異常の精子や細胞片等を取り除き、良好精子の回収が期待できる密度勾配遠心法を用いています。下の動画はセミナー用に作成したごく短い動画ですが、画面左(精製前)と画面右(精製後)で、画面内に映り込むゴミの量や運動精子の動きが全く違うことがお分かりいただけると思います。
精巣で作られた精子は最初、受精する力も、自ら運動する力もほとんどない状態です。精管内を運ばれ、雌性生管内を上昇するうちに運動能を得、受精能を獲得していくことになります。精子の運動能は卵子にたどり着く他にも、卵子の周りにある卵丘細胞や透明帯を通過する際に非常に重要です。
従来、精子は頭部を激しく振る動きと尻尾(鞭毛)が鞭打ちするように動くことで、前進すると考えられていました。普段、私たちが精子を見るときにはdishの底面やガラス表面を泳ぐのを上(ないしは下)から見る格好になります。
今回、精子の動きを3D的に表現した動画がニュースになっていたので、あわせてご紹介します。
鞭を打つように、というよりもドリルのようです。
この抉るような動きで、様々な障害物を通過して受精を目指していくのですね。