FTの結果 Double Scope(ダブルスコープ)の威力 ~その2~
FT後に一般治療で妊娠しなかったらどうなる?
さて気になる「FT後に一般不妊治療で妊娠されなかった方」のその後です。
当院ではFT後4~5回一般不妊治療を施行して妊娠されなかった場合、体外受精をお勧めしています。その理由は前述したように、タイミング療法やAIHで妊娠された方はその80%以上が4~5回目以内で妊娠されているため、漫然と同じ治療を行っても妊娠率は低下することがあげられます。
卵管がきちんと通過して他の検査に異常がない場合は、卵子が卵管にピックアップされていないと考えるのが最も合理的です。つまり、体の中で受精が起こっていない可能性が考えられるわけです。この場合、体外で確実に受精させ、受精卵を子宮にもどす体外受精が最もよい適応となります。
では、FT後の体外受精での妊娠率です。
なんと20代、30代の方は70%が妊娠し、40代の方でも1/3の方が妊娠されているのです。コラムその1の結果とまとめると、治療継続している20代・30代の方の約80%が何らかの方法で妊娠していることがわかります。
2019年までの調査結果ですので、残りの20%の方に関しても既に妊娠されている方もいらっしゃいます。つまり、仮にすぐに結果が出なかったとしても、治療を継続することが重要だということが分かります。
もしかするとFTで卵管を通しておくと体外受精の妊娠率があがる可能性も考えられるので、今後の検討課題としたいと思います。
当院では、プロポフォールという麻酔薬を使い、完全に寝ている間にDouble Scope法で短時間に安全・確実に卵管形成しています。麻酔専任、子宮鏡専任、卵管鏡専任と3名の医師で手間暇をかけて施行しています。FTをうけるかどうか悩んでおられたら、是非早めに医師にご相談ください。