社会的適応での未受精卵凍結融解による出産例
こんにちは、培養室です。
厳しい寒さが続きますね、外の気温を見てもびっくりすることがあります。体調管理に気をつけましょう。
今回も未受精卵の凍結融解のお話をしたいと思います。
未受精卵の凍結は大きく二つに分かれます。まず、一つは医学的適応での卵子凍結です。これは、がんなどの病気の治療により卵巣機能不全となってしまう前に採卵を行い予め卵子を凍結します。治療後、子どもが欲しくなった時に卵子を融解し移植します。
二つ目は社会的適応での卵子凍結です。日本生殖医学会のガイドラインによると、加齢等の要因により性腺機能の低下をきたす可能性を懸念する場合には、未受精卵子あるいは卵巣組織(以下「未受精卵子等」という)を凍結保存することができる、とされています。
昨年、当院では社会的適応にて未受精卵を凍結していた方が妊娠・出産されました。
今までの多くの方が未受精卵凍結融解で妊娠・出産されましたが、社会的適応での出産例は初めてだったので大変嬉しい報告です。未受精卵の凍結融解は一般的な治療と比較して行われることが少ない治療法ですが、今後も多くの方が妊娠・出産に至ることができるよう努力していきたいと思います。