卵子凍結(未受精卵子凍結)について、生殖医学会で発表してきました。
こんにちは。医師の村上です。
先日、鳥取県米子市で開催された第66回生殖医学会にて、「当院における凍結融解未受精卵子の治療成績」をテーマに発表いたしました。
当院における凍結融解未受精卵子の治療成績
凍結時35歳以下 (13例) |
凍結時36~39歳 (15例) |
凍結時40歳以上 (22例) |
全体 (50例) |
||
医学的適応 |
8例33個 |
3例22個 |
- |
11例55個 |
|
非医学的適応 |
5例30個 |
12例30個 |
22例71個 |
39例131個 |
|
融解数 (個) |
63 |
52 |
71 |
186 |
|
凍結時平均年齢(歳) |
28.6±5.2 |
37.7±1.1 |
42.8±2.1 |
37.2±6.7 |
|
融解時平均年齢(歳) |
35.0±4.8 |
41.6±3.4 |
43.5±2.7 |
40.5±5.0 |
|
回復率 (%) |
79.4 |
72.2 |
97.2 |
87.6 |
|
受精率 (%) |
80.0 |
73.3 |
69.6 |
74.8 |
|
分割率 (%) |
90.0 |
88.2 |
64.6 |
79.5 |
|
移植周期数 (胚数) |
19 (20) |
10 (10) |
14 (17) |
43 (47) |
|
臨床妊娠数 |
11 |
4 |
3 |
18 |
|
移植あたりの 臨床妊娠率 (%) |
57.9 |
40.0 |
21.4 |
41.9 |
|
融解卵子あたりの 臨床妊娠率 (%) |
17.5 |
7.7 |
4.2 |
9.7 |
|
妊娠転帰 |
生産 |
9 |
3 |
3 |
15 |
流産 |
2 |
1 |
- |
3 |
2007年4月から2021年4月までに当院で融解した未受精卵子を用いた胚移植あたりの妊娠率は41.9 %で、凍結時に40歳以上だった場合でも胚移植あたりの臨床妊娠率は21.4 %でした。18名が妊娠され、そのうち15名が無事に出産されました。この中には凍結時40歳以上だった3名の患者さまが含まれていました。なお、残念ながら流産された方が3名おられました。
日本産科婦人科学会が公表した2019年の凍結融解未受精卵子を用いた胚移植あたりの妊娠率は18.0 %、新鮮胚移植や凍結融解胚移植の妊娠率は21.0 %~35.4 %でしたので、当院での凍結未受精卵子を用いた治療成績は全国平均よりも良好であり、新鮮胚移植や凍結融解胚移植の成績と遜色ないと言えるでしょう。
非医学的適応による未受精卵子凍結は36歳未満で行うことが望ましいとされていますが、高額な治療であること、自費診療であることから、悩みに悩んで40歳前後で卵子凍結を希望し、当院を訪れられる患者さまは少なくありません。また、重症男性不妊症のため採卵時に精子がみつからず、一旦卵子凍結せざるをえない患者さまもいらっしゃいます。
こういった患者さまの期待に応えられるよう、今後も治療経験・凍結融解技術に磨きをかけていきたいと思います。
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