1PNになるかも?
こんにちは、培養室です。
今回も前回の続きです。オンラインでの学会発表を視聴していましたが、その時にほんの一部分ですが気になる部分があったので紹介したいと思います。
実験のために前核が一つしか見えない1PN胚を作成する必要があり、方法について発表者の先生が説明していました。
1PNは発生する原因が雌雄前核の融合、核膜の形成不全、雌雄どちらかの前核の単為発生が主に考えられていて正常受精とするかどうか明確な基準はありません。その方法とは、あえて紡錘体の近くで顕微授精の穿刺を行うことです。結果、雌性前核の領域と雄性前核の領域を持つ1PN胚となるとのことでした。
普段、私たちは顕微授精を行う際に、紡錘体の位置を確認してから穿刺します。(※紡錘体の見え方については、過去のコラムをご覧ください。こちら)しかし、どうしても紡錘体が確認できないことがあり、その場合は極体の位置から穿刺する位置を決定します。
真相は分かりませんが、まれに紡錘体のそばを穿刺し1PNとなっていることがあるのかもしれません。現在の技術では、100%紡錘体を視認することは困難かもしれませんが将来はAI技術等を駆使して紡錘体が見えなくても紡錘体付近への穿刺を避けることができるようになるかもしれませんね。