基礎体温と排卵の予測について
院長の中村です。先日、このような口コミを頂きました。
★基礎体温はつけたほうがいいの?
基礎体温について疑問をお持ちの方も多いのではないかと思いますので、コラムの中で回答を共有させて頂きます。
基礎体温は、これまでの経過の参考にはなります。そのため、記録されている方にはご持参頂いておりますが、あくまで参考程度ですので、基礎体温のデータがなくても治療に差し支えはございません。なぜなら、基礎体温は排卵の予測という点においてそこまで重要ではないからです。
基礎体温の記録はあくまでも振り返ってどうであったかを知るためのもので、当院の患者様には「面倒なら基礎体温はつけなくて良いですし気にしなくても大丈夫ですよ」とお伝えしております。
★排卵の予測はどうしたら正確に分かるの?
それは、超音波の所見とホルモン検査の結果を組み合わせて判定するのがもっとも正確です。
排卵の予測には卵胞の成熟を反映するエストラジオール(E2)と排卵のシグナルとなるLHの値が重要です。超音波だけでは、卵胞が意外と成熟していないことを見逃す危険性があります。そのため、排卵の予測は血液検査によるホルモン値によって、より正確に判定します。当院では、主要なホルモン値は院内で測定しており、採血後約30分で結果が出ます。
(当院ではホルモン値の血液検査が院内で検査可能ですが、このような設備がない施設も多くございます。血液検査を院外の検査会社に依頼したり、血液検査をせず尿中のLHや基礎体温を参考にされている施設もある事かと思います。)
検査結果が出るまで院内でお待ちいただく時間がない方には、後ほどお電話をしていただいて結果をお伝えします。お電話の受付時間については多少の融通をきかせておりますが、午後に処置が入っていることもございますので、ある程度の時間幅の中でお電話をしていただくようお願いしております。
以前より、今回投稿して頂いた方と同様に、電話に時間を割く事が困難だというお話を伺っています。今後はこのような不便をなくすため、クラウド上に検査結果や指示をアップし、患者様ご自身の都合の良い時に確認していただけるシステムの導入を検討しています。現在システム構築中ですので、実際の運用についてはもうしばらく時間を要する見込みです。
当院は、お仕事との両立、家庭との両立をしながら妊活をされる方を応援しています。
以前よりセミナーやインタビューなどでもお話しておりますが、患者様にはできるだけお仕事を辞めず通院して欲しいと考えています。不妊治療をされる期間は人生の一端です。これまで皆さんが努力され積み上げられたキャリアを無駄にしてもらいたくないのです。そのために、朝8時~夜19時まで診療を行っておりますし、土日祝も休まず診療をしています。休まず診療する事は容易な事ではありませんが、1人でも多くの方が当院を卒業される日を迎えます事を切に願っています。
通院環境や、診療内容(医療サービスや培養技術)は、今できうる限りの事を尽くしています。
それでも、今回のように、通院中に疑問に思われる事がございましたら、些細な事でも構いませんので医師・スタッフにお尋ねください。