不妊治療薬の承認手続き迅速化
こんにちは、培養室です。
いよいよ夏本番で、35℃を超える日が続いています。トマトやキュウリなどの夏野菜は身体にこもる熱を出させる働きがあり、夏バテ対策にうってつけです。
妊活中に心掛けたいビタミン摂取の為にも、積極的に取り入れたいですね。
さて、今回はこんなニュースをご紹介します。
不妊治療薬、承認手続き迅速化…保険適用へ排卵誘発剤やバイアグラなど候補に(YOMIURI ONLINEより)
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210710-OYT1T50276/
不妊治療に用いられる薬は多岐に渡りますが、未承認、もしくは適応外(別の用法では承認されている)のまま用いられているものが数多くあります。来年から不妊治療の保険適応が始まるにあたり、治療に用いられている薬剤の承認手続きが必要です。通常の承認手続きでは、審査に約1年掛かります。結構時間が掛かるなと感じる反面、ドラッグ・ラグ(薬の開発・承認に掛かる時間が欧米に比べて非常に長いこと)が話題になっていた頃に比べると審査に要する時間差は解消されつつあり、早く承認ができるように努力がなされているようです。
ただ、それでも来年4月に控えた保険適応には間に合わないということで、公知申請という方法が取られることになりました。公知申請とは海外での承認・使用実績などから科学的な根拠が十分に得られた場合に、申請された薬の効能や安全性が医学的に公知であると考え、対象の薬を承認する制度です。国内での臨床試験を全て、あるいは一部を新たに実施する必要がないため、承認までの時間が短縮されます。
日本生殖医学会(ウェブサイトはこちら)から発表されたガイドライン(ガイドライン原案)で、レベルA(実施すること等を強く勧められる)ないしレベルB(実施すること等を勧められる)の項目に当たる薬に関しては基本的に保険適応になる方針のようです。
また、今まで一律ではなかった不妊治療施設の実施状況(実績)の調査も勧められています。当クリニックにも特定不妊治療費助成事業指定医療機関の情報公開に関する書類が届きましたので、回答させていただきました。東京都などでは既に公開されているようですね。
当クリニックのホームページ用に集計する時より年齢が絞られていたり、splitがあったり、諸々の算出条件が違って慌てましたが、何回も検算したので大丈夫です。大丈夫なはずです。
いつ頃、どのような形で公開されるのか分かりませんが、不妊治療を検討される方の一助となればと思います。