当院も二刀流です。(卵管鏡下卵管形成術:ダブルスコープ法について)
院長の中村嘉宏です。
大谷翔平選手がメジャーリーグで大活躍しています。うっとうしい梅雨やコロナ禍の中、明るいニュースの一つでしょう。私もいつもわくわくして見ています。なにしろ、7月12日時点で33本のホームランを放ち、ホームランダービーを独走。投手としては4勝をあげているのですから素晴らしい活躍ぶりです。「二刀流」として打者、投手の双方で大活躍です。
ところで、少し疑問に思っていることがあります。
「二刀流」の使い方です。もともとは、宮本武蔵が大小二本の刀を両手に持って戦ったことからできた言葉です。そうすると本来、二刀流というのなら「大小二本のバット」を両手に持った大谷選手がボコスコホームランを打っていることになるのでは――……まあ、ルール違反ですし、打ちにくいでしょうけど。
冗談はさておき。
なかむらレディースクリニックの卵管鏡下卵管形成術(FT)は、FTの元祖「二刀流」です。
径0.6mmの「卵管鏡」と径3.0mmの「子宮鏡」を組み合わせるダブルスコープ法を採用しております。まさに二刀流です。そして、これがもっとも安全、確実な卵管形成術です。
そもそも卵管鏡は径が0.6mmしかないので焦点距離が短く、出力される画像も粗いものです。当院のホームページに載せている写真はきれいに写っていると思われたでしょうか? あれはいわゆる「チャンピオンデータ」で一番きれいに見えた写真なのです。
実際のところ、卵管鏡で卵管の入り口を探すのは非常に難しく、感覚的には「ブラインド」での手術に近くなります。卵管鏡を入れたFTカテーテルを子宮口から挿入して、引っかかってくれたところでバルーンを伸ばしていきます。しかし卵管内と子宮内には細かなひだなどがあるため、そこが本当に卵管口かどうか判断しようにも卵管鏡の画像では区別できないことが多いのです。
結果的に、卵管の中にカテーテルが入っていなかった、ということもよくあります。
当院の二刀流「ダブルスコープ法」では、この問題を劇的に改善します。
子宮鏡を用いると卵管口を見つけるのは簡単で、1分もかからずに確実に見つかります。見つけた卵管口にFTカテーテルを正しく当てると、あとはゆっくりとカテーテルを進めていくだけです。
さらに万が一、卵管に卵管鏡が入っていなければ、子宮鏡ですぐにわかります。ダブルスコープ法であれば、おおよそ5分から10分くらいで両側卵管形成術を行うことができます。卵管鏡のみの卵管形成術に比べ、比較にならないほど安全性、確実性が向上します。
ダブルスコープ法後の妊娠率も累積で約40%で、結果も良好です。
一般不妊で妊娠しにくい方は是非、当院の二刀流FTを検討してみてください。
子宮卵管造影検査で問題がなかった方も、検査ではわからない蜘蛛の巣状の癒着や卵管口の膜状の癒着があったりしますので、妊活の結果が出ない時にはお気軽にご相談ください。