PGT-Aは高額な治療? 〜実は財布にやさしいPGT-A その2〜
こんにちは、培養室です。
梅雨明けしとても暑い日が続いていますね。昼間は屋内に引きこもっていたいと思いながら過ごしています。
今日は、染色体数異数性検査(PGT-A)についてお話ししたいと思います。
現在、国内では臨床研究という形で行われているPGT-Aですが、検査費用が高額なこともあり通常の治療と比較して総治療費がかなり高額になるのではないかと心配される方もおられます。なかむらレディースクリニックでもPGT-Aを実施していますが、PGT-Aの実施前後で臨床妊娠までに要した期間と治療費を算出してみました。
今回、紹介するコラムでは、50人に採卵を行った結果を集計しています。
上のグラフでは、PGT-Aの実施前後で採卵回数、移植回数、臨床妊娠までに要した期間を比較しています。
PGT-A実施後には、全ての項目でPGT-A実施前と比較して低くなっています。臨床妊娠までに要した期間は、PGT-Aの検査期間を含めても短くなっているのでPGT-Aは有用な治療と考えています。
次にPGT-A実施前後での臨床妊娠までに要した治療費について比較したいと思います。
上のグラフでは卵巣刺激、採卵、媒精から胚培養、凍結、融解胚移植、PGT-Aの全てを算出しています。
PGT-Aには検査費用が発生しますが、染色体異数性を検査し染色体数が正倍数性と判断された胚を移植することは、治療費総額で見てみると負担を大きく減らすことができる可能性があることが分かりました。
国内で臨床研究が続くPGT-Aですが、治療回数や治療費についての報告は少ないのが現状です。なかむらレディースクリニックでは、妊娠・出産へ繋がるよう分析を続けより良い治療方法を探求していきます。