関係ある? ない? 男性年齢と不妊治療 2
こんにちは、培養室です。
今日は意外と話題にならない(?)男性の年齢と不妊治療の話の2回目です。
前回は男性の年齢が上がることでも妊娠は難しくなりますよ、というお話でした。
Paternal Age Is Not Associated With Pregnancy Outcomes After Single Thawed Euploid Blastocyst Transfer.
Tiegs AW et al., Reprod Sci. 2017 Sep;24(9):1319-1324.
男性に焦点を合わせた研究では、女性因子による変動を避けるために提供卵を用いる症例を対象にする場合があります。しかし、今回ご紹介する論文では、予め「正常」だと判定された胚盤胞を対象に、女性側の年齢をコントロールしながら調査を行ったものです。
対象 473組573個の正常凍結胚盤胞を単一融解移植した症例
結果 採卵時の男性年齢を基準にして算出
年齢が上がるほど受精率が低くなる反面、その他の着床率や流産率に有意な差は見られなかった。
年齢と不妊治療
論文は、染色体が正常である胚盤胞であれば、男性の年齢は胚移植に悪い影響を与えないという結論でした。年齢が上がる=直ちにもう無理! 駄目! というわけではありません。
反面、年齢が上がれば染色体異常の可能性が上がるので、正常な胚の割合は減ってしまいます。
また、今回は男性の年齢に焦点を合わせた研究でしたが、逆に女性の年齢に焦点を合わせても同じように染色体が正常であれば……という結果になるのではないかと思います。