着床にまつわるお話。後編【着床期出血】
今日はチクチク痛は着床の兆候??~その②の続編として「着床期出血」についてです。
※着床痛については、よく聞かれる質問 〜着床の兆候(着床痛・チクチク痛)について〜もご覧ください。
これも、外来診療でよく聞かれる質問です。
こちらは、医学的に認められています。
ただしすべての人に起こるわけではなく、約4人に1人に起こるといわれています。
出血時期は、4週目前後で「着床の瞬間」ではありません。
妊娠4週の時期は、胎盤のもとになる絨毛が内膜に侵入していくのですが、
その時に内膜の血管を傷つけて少量の出血が起こるのです。
ときにはある程度の出血があり、着床期出血を「生理」や「流産」と勘違いされる方もおられます。
当院では、凍結融解胚移植の場合、4週1日で妊娠判定をし、
その約1週間後に子宮内に胎嚢があるかどうかを確認します。
妊娠反応が陽性であった人には
「つぎの受診までに少量の出血があるかもしれません。それは絨毛が子宮内膜に根を張っていく過程で
子宮内膜の血管を傷つけて起こるものです。特に心配はいりません。」と説明しています。
また、出血があっても必ずプロゲステロンの膣座薬を使用してください。
まれに膣座薬が出血の原因だと思いこみ、使用を控える方もおられます。
医師が中止の判断をするまでお薬は継続してください。
お薬を自己中断される事で、流産してしまう恐れがあります。
いずれにせよ、心配な時は決して自己判断せずに医師に相談するようにしてください。
院長 中村嘉宏