PGDISへ参加しました Part3
こんにちは、培養室です。
梅雨入りと同時に豪雨が来て天気予報の確認が欠かせない日々が続きます。
前回(▶PGDISへ参加しました Part2)から期間が空いてしまいましたが、PGDISにて気になった演題を紹介したいと思います。
“Post-warning re-expansion of euploid blastocyst at the time of transfer is associated with implantation rate.”
この演題では、PGT-Aで染色体数が正常と判定された胚であっても、融解後、しっかりと再拡張ができない場合には妊娠率が低下するという内容です。偶然ではありますが、我々も今回のPGDISで、移植時に孵化しているPGT-A胚は孵化していないPGT-A胚と比較して有意に妊娠率が高いことを示しました。
下の画像は、それぞれ融解直後、再拡張完了、再拡張不完全胚盤胞、脱出胚盤胞となっています。
融解直後(左写真)、再拡張完了(右写真)
再拡張不完全胚盤胞(左写真)、脱出胚盤胞(右写真)
次のグラフは、紹介した演題での妊娠率を比較したデータです。
融解後1時間で完全再拡張となった胚盤胞は、良好な成績となっています。
次のグラフは、我々が発表したデータしたです。
移植時に脱出胚盤胞となっている場合は良好な成績となっています。
上記2つのグラフでは、完全再拡張および脱出胚盤胞において有意に妊娠率が高い結果となりました。
PGT-Aにより染色体数が正常と判定された胚盤胞であっても融解後の再拡張や脱出胚盤胞となることが大変重要であることが分かります。
当院では、通常の凍結融解胚盤胞移植においても移植時に脱出胚盤胞となるよう凍結・融解操作を工夫しています。
より良い結果となるように引き続き検証していきたいと思います。