悲しいお知らせ 訃報
先日、当院の尾崎宏治先生が逝去いたしました。
尾崎先生は大阪公立大学産婦人科医局の2年先輩にあたります。医師1年目の時より存じており、かれこれ30年にわたるお付き合いでした。
先輩としていろいろ指導していただき、陰日向に助けていただきました。そのため、尾崎先生の訃報に接した際、いろいろな思いが交錯し皆様にこうして報告すべきかどうか迷いがありました。尾崎先生を慕う患者様の感謝の声も多いため、こうしてコラムでご報告することにした次第です。
私が医師4年目の時、かれこれ25年ほど前の話ですが、尾崎先生が大阪公立大学の不妊グループのチーフに就任されました。当時は医師が培養を担当していました。尾崎先生は大変器用な先生で体外受精の成績が飛躍的に伸びたことを覚えています。また、培養、顕微授精などいろいろ教えていただきました。また、子宮内膜症、子宮筋腫などの腹腔鏡手術でもいろいろ指導していただきました。
その後、前病院で一人部長をしていたとき、当直が回らなくて困っていました。その時も尾崎先生は土日を中心に当直してくださり助けていただきました。緊急帝王切開や卵巣嚢腫茎捻転などの緊急手術を一緒にしていたことを昨日のように覚えております。
このように、お優しい尾崎先生でしたが、「信念を絶対に曲げない」芯の強い一面もありました。学会の発表で、その分野の重鎮教授相手に一歩も引かず、相手を論破してしまうこともありました。
神戸出身の先生ですが、大学が高知であり、「土佐のいごっそう」のような一面もあったのです。
こうして回想すると本当にいろいろなことが想いだされ、寂しい想いにかられます。
尾崎先生のご冥福を心よりお祈りいたします。