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卵巣機能低下に効くかも? 〜delayed start法〜

こんにちは、培養室です。

1月は、バタバタとイベント盛りだくさんで賑やかに過ごしています。
その中の一つ、タイムラプス導入とクリーンベンチの入替のお話も後日掲載する予定です。

 

卵巣加齢と卵胞発育

卵子が老化するという言葉はもう随分広く認知されたのではないでしょうか。
胎児の頃から女性の体内に備わっている卵子は、卵子数の減少や染色体異常の増加など、時間の経過によって様々な変化を起こします。
程度の違いはありますが誰しもに起きることですし、また、外見の若々しさとは全くの別物です。

 

同時に、反応の乏しい卵巣に対して過剰にホルモンが分泌され、やがて、慢性的にホルモン値が高い状態で維持されるようになります。本来、周期的に変化するホルモンが乱れることで、より一層卵胞の発育は難しくなるのです。

このような卵巣が加齢したマウスで実験した実験のお話を以前セミナーで聞かせていただいたのですが、今回その論文が発表されていたのでご紹介します。

 

The acceleration of reproductive aging in Nrg1flox/flox ;Cyp19-Cre female mice.

Umehara T et al,. Aging Cell. 2017 Dec;16(6):1288-1299

排卵回数が増えるとともにステロイド産生物が卵巣内に蓄積し、また過剰なLH、FSHに曝されることによってマウスの卵巣組織は繊維状に変化した。これらによっても卵胞の発育は阻害され、卵巣機能の低下に繋がっている。このマウスにGnRHアンタゴニストを長期投与することで、これらの諸症状に改善が見られ、脳からの卵巣刺激(LH、FSH)に対して正常な反応を起こすようになった。

 

delayed start法

マウスでうまくできたので直ちにヒトに転用できるか、と言われるとそうではありません。
身体の仕組みに共通するところがあっても、全く同じではないからです。しかし、既に同様の試みは始まっています。

 
前述の通り、慢性的に大量のホルモンに曝されている卵巣では、卵胞の発育は容易ではありません。そこで、GnRHアンタゴニストを月経周期の序盤に用いて、一度ホルモンをある程度抑制します。
ホルモン値が下がることによって卵巣は卵胞発育の準備を進めることができ、その後に卵巣の刺激を行って採卵を目指す方法です。
このdelayed start法という卵巣刺激法によって、今まで卵巣刺激に対して反応が薄かった方にも一定の効果が見られています。
 
 
当院でも当方法を導入して、より一層ひとりひとりに最適なアプローチを目指していきたいと考えています。

この記事を書いた人

培養室

培養室

不妊治療・体外受精専門のなかむらレディースクリニックの医師や培養士が監修

なかむらレディースクリニックは、不妊でお悩みの方々に安心して不妊治療、体外受精をうけていただくためのクリニックです。朝8時から診察し、平日は木曜日を除いて夜7時まで受付をしています。日曜日、祝日も年末年始以外休まずに診察し、多忙な方でも相談していただきやすい不妊治療を目指しています。

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