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これからの生殖医療③ 着床前スクリーニング(PGS) part2

こんにちは、中村嘉宏です。
ここ数日は特に暑い日が続くそうで、いよいよ夏本番ですね。気温がそれほど高くない日や夜間であっても症状が出る場合もありますので、熱中症対策はお忘れなく。

さて、前回は染色体数的に正常・異常な胚について、また染色体数異常の胚を避けて移植できることの意義についてのお話ししました。また、染色体の数的異常を調べる方法としてPGS(PGT-A)が開発・利用されている背景にはゲノムの解析が比較的容易になったことがあります。これが前々回のお話です。

PGS(PGT-A)はどのように行うの?

今回はPGS(PGT-A)はどのように行われているのかご紹介します。

胚盤胞の栄養外胚葉(胎盤になる部分)から4~6個程度細胞を取り出して、検査を行います。

 

透明帯(胚盤胞を覆う「卵の殻」に当たる部分)にレーザーで穴を開けます。開いた隙間から栄養外胚葉が膨隆し、透明帯から部分的に脱出した状態になります。マイクロピペットで吸引し、細胞間の継ぎ目に軽くレーザーを当て、角度を付けながら細胞を採取します。
この操作は、顕微授精に用いるのと同じマイクロマニピュレーターを用いて行います。

 

こうして取り分けた細胞はPGSの検査に、胚盤胞は凍結保存します。

細胞からまずDNAを抽出します。取り分けた細胞から採れるDNA量は微量のため、PCRという技術を用いてDNA量を増やします(全ゲノム増幅)。DNA量を増やした検体を次世代シークエンサーにかけて、染色体の数が正常かどうか解析します。

 

詳細な表示方法などは様々ですが、2つの検査結果例をお見せします。
染色体数が正常であれば、真ん中の線にドットが並びます。

 

次は異常の症例結果です。

7番目の染色体が1本多いために、他よりも明らかに突出しているのが見て取れると思います。また、12番目の染色体に関しても、他よりやや突出しているのが分かるでしょうか? これは、1本多い細胞が5個中2~3個存在する状態です。

 

このような状態をモザイクと呼びます。

 

染色体数が正常な細胞と染色体数が異常な細胞が混じり合っている状態です。
PGSを行い、正常か異常かを判定する上で、このモザイクが最も大きな問題となります。

 

なぜ、問題になるのでしょうか?
続きは次回、PGSの問題点について説明いたします。

この記事を書いた人

院長 中村嘉宏

院長 中村嘉宏

不妊治療・体外受精専門のなかむらレディースクリニックの医師や培養士が監修

なかむらレディースクリニックは、不妊でお悩みの方々に安心して不妊治療、体外受精をうけていただくためのクリニックです。朝8時から診察し、平日は木曜日を除いて夜7時まで受付をしています。日曜日、祝日も年末年始以外休まずに診察し、多忙な方でも相談していただきやすい不妊治療を目指しています。

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