出産報告のお願い
こんにちは、培養室です。
じっとりと暑い日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
ご卒業された皆さまからいただくお言葉を励みに、スタッフ一同日々頑張っています。
いただいたお手紙はいずれも大切に読ませていただいています。
そんな嬉しいお便りとは別に、卒業された方から当院へ送っていただきたい大切なお手紙があります。今日はそのお手紙、「出産報告」についてお話しようと思います。
出産報告とは?
初耳だという方もいらっしゃれば、あるいは、ご友人やご親戚からのお葉書をイメージされた方もいらっしゃるかもしれません。ここでの「出産報告」は、当院にて体外受精・移植などの生殖補助医療を受けられ、ご卒業された方(産科へ転院された方)へ送付するお手紙のことを指します。
お手紙は出産予定日から一ヶ月後を目処に当院から送付しております。分娩の経過や、出産時の様子など質問事項をご記入の上、返送をお願いいたします。
お忙しい折にお手紙を差し上げるのは心苦しくもあるのですが、皆さまのご理解・ご協力をお願いします。
また、今月からは当院を卒業される時に紹介状と一緒に「出産報告」を同封しております。分娩予定施設にお渡しください。皆さまには卒業時にお渡しする卒業された方への「出産のお便り」をご記入の上、返送していただけましたら、大変嬉しく思います。
ART(生殖補助医療)と出産報告について
当院を含む分娩施設のない不妊治療のクリニックでは、妊娠初期(〜10週頃)で卒業になります。それなのに、何故出産後のことまで聞いて回るのか不思議に思われるかもしれません。
日本産婦人科学会認定の生殖補助医療実施医療機関には、行った生殖補助医療について報告義務が課せられています。つまり卒業後の様子、どのような分娩をされたか、お子さんの性別、生まれた時の状態など……行った生殖補助医療を総括し、多岐に渡る情報を収集するのも我々の大切な役割なのです。
世界で初めて体外受精が成功してから、先々月で39年目に入りました。国内初成功例から数えると34年です。随分と前の話だなあ、と思う反面、まだ、たった30年余りの出来事です。その間に、国内の生殖補助医療による出生児の割合は、年間約0.6%(1996年)から約4.7%(2014年)にまで増加しました。これは、実に21人に1人の割合で子供達の出生に生殖補助医療が関わっているということです。
その中で目まぐるしく変わっていく生殖補助医療技術の安全性評価は非常に重要な意味を持つのです。今後は、更に次の世代への影響も含めた長期的な予後の観察、生殖補助医療によって生まれてくる子供達のことを考えた取り組みが必要とされています。
日本産婦人科学会では全国の治療施設からの情報を解析しています。
どなたでも、その結果を御覧になれます。
【公益社団法人 日本産婦人科学会】【登録・調査小委員会】
【!】個人情報の取り扱いについて
いただいた情報は当院にて厳重に保管し、日本産婦人科学会に送付する際には個人が特定できない状態にいたしますのでご安心ください。
卒業された方で、もしお手紙を紛失してしまった方は以下のリンクからダウンロードできます。
どれだけ期間が空いていても構いませんので、お気づきの際はご一報いただければ幸いです。
【出産報告】