感染症 〜梅毒について〜
こんにちは、培養室です。
最近朝晩が冷え込むようになってきましたね。
今回は感染症についてのお話です。
当院では院内感染防止のためにご夫婦ともに感染症の検査を受けていただいています。
感染症検査の項目は
・B型肝炎
・C型肝炎
・梅毒
・HIV
の4項目です。
梅毒について
さて先日、今年の初めから9月末頃までの梅毒感染者数が報告されました。
それによると9月までの暫定患者報告数は 5081人でした。
これは既に去年1年間の総数5770人に迫る勢いで、にわかに流行の兆しを見せています。
梅毒は性病の一種で、梅毒トレポネーマという病原菌によって引き起こされ、主に性的接触により感染します。
症状
感染直後は特に症状もなく、検査をしてもわからないことがほとんどです。
感染後、3~6週間で感染部周辺にしこりや潰瘍、発疹が現れるとされていますが、それは典型的な例で、ほとんど気が付かないこともあります。
しかし、そのまま放置すると重症化し、数年~数十年で心血管や神経に異常が現れ、生命の危機に陥る場合もあります。
また妊娠中の女性の方が感染したまま放置した場合、胎盤を通じて胎児に感染し、流産・早産・死産となってしまったり、何らかの障害が残る可能性が高くなります。
治療
梅毒の治療はペニシリンなどの抗生物質を用いた薬物治療が一般的です。
妊婦の方も早期に治療を行えば、胎盤を通じて胎児にも薬の効果が届き、母子ともに治療することが可能です。
梅毒は1940年代にペニシリンが汎用されて以降、年間報告件数が数百件と少ない数で推移していましたが、この数年で急激に患者数が増加している感染症の一つです。
梅毒に限らず、感染症の中には自覚症状が分かりにくいものもあります。
これを機に検査を受けていただき、病気の予防や治療につなげていきましょう。