大阪・江坂駅最寄り不妊治療・体外受精の専門クリニックです。

06-6378-7333

業者の方はこちら06-6378-7513

土日祝
診療

女性医師
在籍

MENU

いつ移植したらいい? 最適な日を探るERA

こんにちは、培養室です。
前回に引き続き着床に関するお話と、当院でのERA検査の開始をお知らせします。

前回(着床の適切な時期は? インプランテーションウィンドウについて)のコラム

  1. 着床できる時期=インプランテーションウィンドウ(以下IW)
  2. IWから外れると、どれだけ良いたまごでも着床不可
  3. IWの時期はおおよそ決まっているが、個人差もある
  4. IWの時期の正確な診断は困難

 

胚移植において、IWの時期は極めて重要です。
特に何度も移植を行っているのに着床しない方は、IWがズレている可能性があり、それを克服する方法を求めて試行錯誤していました。

ERA (: Endometrial Receptivity Analysis/子宮内膜着床能検査)

そこで、近年注目されているのがERAです。ERAはスペインのアイジェノミクス社が行っている検査です。

 

子宮内膜組織を採取し、遺伝子発現を解析することで「採取した日」の着床能を評価します。
良好胚を複数回移植しても着床しない方がERAを受け、そのうちの25%にIWのズレがあったという論文(Fertil Steril. 2013 Sep;100(3):818-24)にあるように、IWと移植時期の不一致を明らかにできるようになりました。

 

この他にも、良好胚が採れる可能性が少なく、移植できる胚が希少な方が、あらかじめERAでベストな移植時期を推定しておくことで、一つ一つの胚を温存していく方向でも期待が寄せられています。

ERAの検査結果は、受容期(Receptive)と非受容期(Pre/Post-receptive)という形に評価されます。
今まで移植を計画していた時期がピッタリであるのか、あるいは移植には早すぎる/遅すぎるのかが判ります。つまり、従来法では早すぎた(Pre-receptive)方は移植日を遅らせ、逆に遅すぎた(Post-receptive)方は移植日を早めることで、ベストなタイミングで胚移植を行える可能性があるということです。

実際には、単純に移植日を変更するのではなく複数回ERAを行って、より詳細な時期の特定を目指します。

 

この検査を行うには、実際の移植周期と同じように内膜を整え、移植予定日に子宮内膜組織を採取する必要があります。さらに、結果が出るまでに2〜3週間必要です。そのため検査を行う周期には移植を行えないデメリットはありますが、一人一人に最適な移植のタイミングを探ることができるメリットは大きいと考えられています。

治療の最適化を目指して

不妊治療では治療を受けられる方の個性・体質が大きく結果を左右します。よりよい結果を得るためには、数ある選択肢の中から治療方法の模索が必要です。採卵周期においては、個々人への治療の最適化が既に行われています。
ERAによって、移植周期でもそれが可能になるのではないかと期待しています。

 

「あなたにベストな移植」を目指して、当院でもERAを開始します。
ご希望・ご不明な点など含め、詳しくは医師とご相談ください。

 

次回の培養室コラム(予定)

「胚盤胞培養液※の差はあるのでしょうか?」
たまごを育てる培養液は、現在たくさんの種類があります。
それなら、それぞれの培養液の間に、培養成績の差はあるの……? そんな疑問にお答えします。

※培養液
たまご(卵/胚)を体外で育てるために、生育環境(栄養素など)を整えた液体。

この記事を書いた人

培養室

培養室

不妊治療・体外受精専門のなかむらレディースクリニックの医師や培養士が監修

なかむらレディースクリニックは、不妊でお悩みの方々に安心して不妊治療、体外受精をうけていただくためのクリニックです。朝8時から診察し、平日は木曜日を除いて夜7時まで受付をしています。日曜日、祝日も年末年始以外休まずに診察し、多忙な方でも相談していただきやすい不妊治療を目指しています。

SEARCH気になるワードで検索

SELECTカテゴリーで検索

#TAGで検索